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2009年7月 1日 (水)

わらべうた(こーじ)

 7月1日は、童謡の日、国民安全の日、更生保護制度施行記念日、海開き、山開きです。
 きょうから7月、いよいよ夏って感じですね。「国民安全の日」が何で今日なのかというと、「暑さで気のゆるみから事故が多発するから」という理由だそうです。ちなみに、今日から「全国安全週間」です。
 童謡の中でも「わらべうた」というのがあります。子どもたちの遊びの中で、子どもによって選択され、作り変えられ伝えられる歌です。わらべ歌(唄)、童唄とも表記されます。おとなが子どもの頃に歌った歌が伝えられることもありますが、おとなが子どものために創作した歌である童謡は、遊びで使う場合を除き、一般に「わらべうた」には含まれません。遊びの中ではなく年中行事の中で、子どもが参加し受け持つ歌、例えば正月の左義長(どんど焼き)、夏の虫送り、秋の亥子(いのこ)などの歌もわらべうたとされます。いってみれば、わらべうたは子どもが歌う民謡(民俗音楽)です。
 また、子守歌の中で、とくに眠らせるための歌は、おとなや子守娘が歌い、子ども本来の表現とは異なる性格をもち、わらべうたとおとなの民謡との中間的歌といえます。
 わらべうたは子どもの遊び仲間の集団で共通し、集団が違えば歌の内容や遊びのルールも違い、子どもはその違いを厳密に区別しています。しかし、多くはすぐに覚えられるような単純な構造を持っています。子どもはわらべうたに対して〈歌〉という意識をもっていない場合が多く、むしろ〈歌〉が鞠(まり)や縄と同様に遊びに欠かせぬ道具の一つと考えているようです。だが、音楽的にみれば単純であっても民族の歌がもつ最も基本的な表現を含み、無意識の中で表現されるものであるだけに、原初的な音感覚をとらえることができます。
 小泉文夫編《わらべうたの研究》(1969)では、現代の日本の子どものわらべうたを遊びによって10種に分類しています。
(1)唱え歌 〈あした天気になれ〉などの唱えごとや数をかぞえたり数をよみ込んだ歌、約束やものえらびの歌、悪口やはやしことば、尻取りや頭韻あわせの歌、早口ことば、暗記歌、替歌などのことば自体を遊びとする歌。
(2)絵かき歌 〈棒が1本あったとさ〉などと歌いながら絵を描くもの。基本的にひとりで遊ぶものなので、即興的にどんどん変えられていくことが多いです。日本のほか、数ヵ国にだけみられます。
(3)おはじき・石けりの歌 〈いちじくにんじん〉など遊び道具を地面や机の上にほうって遊ぶときの歌。数は多くありません。
(4)お手玉・羽根つきなどの歌 遊び道具を上にほうり上げて遊ぶもの。〈おさらい〉や〈一番はじめは一ノ宮〉などのお手玉歌、〈ひとり来な〉の羽根つき歌のほか、風船、小石、けん玉遊びの歌など。数は少ないそうです。
(5)まりつき歌(手鞠歌) 〈あんた方どこさ〉など。かつては女の子の遊びの中の主役でしたが、近年あまり盛んでなくなりました。それは技術的に難しく熟練しないと楽しめないなど種々の理由があげられます。よく弾むゴムまりの普及で、立って足の技巧を中心とする遊び方になる以前は、床に座ってつき、速いテンポでした。まりつきから来るリズム感は、1拍が単位となるので、歌では2拍子や3拍子が混じったような柔軟な拍節になります。
(6)縄跳び・ゴム縄の歌 〈お嬢さんお入り〉など縄の中に入り跳ぶときの歌や、ゴムひもを跳んだりくぐったり、《春の小川》などの唱歌で足にからませながら跳ぶときの歌。縄跳びは昭和に入ってから普及し盛んに遊ばれましたが、近年は廃れぎみです。なお、〈熊さん〉はアメリカの〈Teddy Bear〉が日本に輸入されたものです。縄跳び歌の拍子は、規則的にまわる縄を跳ぶ動作に由来するリズム感から、明確な強弱アクセントのある2拍子となります。
(7)じゃんけん・グーチョキパー遊びの歌 〈じゃんけんポイ〉など、グーチョキパーの三つの形で勝ち負けを決めるときの掛声のような歌や、勝敗を長びかせてよりスリルを味わうための歌。また、〈グリコ〉と3歩進む遊びなどバリエーションが多くあります。手ばかりでなく足や舌、顔などでも行います。南・北アメリカでは日系人からじゃんけんが伝わり、少しずつ普及しているようです。
(8)お手合せ歌 〈せっせっせ〉などと、向かい合った2人がお互いの手のひらを打ち合わせて遊ぶときの歌。古くはストーリーのある歌詞につれて身ぶりを加えながらのものがかなりありましたが、近年は《みかんの花》《桃太郎》など童謡や唱歌を歌いながら打ち合わせる、技巧に重点を置いたものが多いようです。〈おちゃらか〉とまったく同じものが韓国にもあります。
(9)からだ遊びの歌 〈だるまさんにらめっこ〉〈ずいずいずっころばし〉〈おしくらまんじゅう〉など、遊び道具の代りに手や顔などのからだの一部や全体を使って遊ぶときの歌。これらはかなり昔から遊ばれていて、今日でも子どもに愛されているものが多くあります。
(10)鬼遊びの歌 〈鬼ごっこ〉〈かごめかごめ〉〈今年のぼたん〉など、鬼を中心に遊ぶための歌や、関所遊びの〈通りゃんせ〉、子もらい遊びの〈はないちもんめ〉など、つかまえたり引っこ抜かれたりすることにスリルを感じる遊びのときの歌。この種の遊び歌の中にも古い歌があります。
 現在の日本の子どもたちを取り巻く生活環境の変化は、自然現象や動植物の歌の大部分を失っています。核家族化は老人から孫への歌の伝達を切断し、安全な路地や場所も少なく、またテレビや塾などで、仲間と遊ぶ時間も減少し、ある種の歌は歌われなくなっています。とはいえ、逆に唱歌、CM ソングや歌謡曲、テレビ・ドラマのテーマソングなどの中から、子どもの音感覚にとって受け入れやすい歌が遊びの中に取り込まれ作り変えられて、姿をかえつつわらべうたは生き続けています。

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