鍋(こーじ)
11月7日は、知恵の日、鍋の日です。
知恵の日は、朝日新聞社が1988(昭和63)年、『朝日現代用語 知恵蔵』発刊の時に制定しました。
鍋の日は、食品メーカー・ヤマキが制定しました。この日が立冬になることが多いことからだそうです。
いろりの上の自在鉤になべをかけて飯を炊き、副食を煮ることは、最近まで日本各地で広く見られた習俗で、いろり端の主婦の座を〈なべざ〉〈なべしろ〉などと呼ぶ地方は多いそうです。また、なべぶたの上で物を切ったり、なべづるごしに飯や汁を盛ることを忌む風習があり、そうした飯や汁を食べた子は盗人になるともいわれました。こうしたことは、なべが最も基本的な炊事具として神聖視されていたことを物語ります。出産祝の会食を、香川県などでは産屋で別なべで食べる生活を終えた意味で〈なべわり〉といい、長崎県の五島では、葬式の日に村人全部が出て準備万端ととのえるため、葬家以外は〈なべどめ〉といって炊事をしない風習があります。また、埼玉県ではかつて子どものよく育たぬ家などでは、新生児になべの湯で産湯を使わせたり、なべをかぶせるとじょうぶに育つともいい、同じ信仰から子どもに〈なべ〉と名付けることも行われました。佐賀県小城郡などでは〈なべぶたかぶせ〉といって、嫁の入家式になべぶたをかぶせ、めでたい唱え言をとなえる風習がありました。なお、〈なべかぶり祭〉と呼ぶ奇祭が滋賀県米原町の筑摩(ちくま)神社に伝えられています。《伊勢物語》などに見られるごとく、〈筑摩(つくま)の祭〉として平安時代すでに都にも知られていた祭りで、女たちが交渉をもった男たちの数だけ、なべを重ねてかぶり、神幸にしたがったもので、なべの数を偽れば神罰をこうむるとされていました。いまは張子のなべをかぶった少女たちが神輿に随行しますが、これはなべが呪具(じゆぐ)としての意味をもっていたためだとされています。
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